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2021.05.08 ニュース

インド変異株に思うこと 今こそ優しさを ~魅惑の国INDIA~

第4波。私の住まうエリアにもとうとう3回目の緊急事態宣言が

こんな時、コロナ禍において最前線で長期に渡り戦ってくださっている医療従事者やその関連事業者の方々、ソーシャルワーカーの方々に思いを馳せると、言葉では到底尽くしきれない感謝と敬意の念が湧き上がると同時に、何もできない自分が情けなく口惜しく感じる日々です。

今はただ、家にじっとしているしかない。
フラワーデザイナーの私にできることと言えば、病院で面会ができない中、時折ご依頼いただく「お見舞いの花」を心を込めて製作し、お届けするくらいしかありません。

最近は水の腐敗による雑菌繁殖リスクから生花による見舞い花がNGの病院も多くなってしまいました。
そのせいか、アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーによるお見舞い花のご依頼は年々増加しているようです。

またこの数年で光触媒の技術も進化し、アーティフィシャルフラワーに光触媒加工を施せば滅菌効果もプラスできるので、そうした意味での付加価値も上昇しているようです。
「光触媒加工で仕上げていただけますか?」というリクエストもいただくようになりました。

大切な方を美しい花で視覚的に癒してさしあげつつ、ベッドのそばを漂う菌まで除去してくれるという存在。
贈る側も受け取る側も安心してやり取りできるというのがとてもありがたいことです。

2020年1月から続くコロナ禍

約1年と半年。
落ち着いたり、増えたり、感染者数のグラフは増減の波を繰り返しています。
そんな中、なんとか持ちこたえてきた日本。
これまで、西欧に比べて、アジアは圧倒的に死者が少ない傾向にあります。

検査数の違いなどで、実態とずれている側面も少なからずあるとしても、西欧とアジアの死者数の差には、明白な開きがあると感じずにはいられません。

この差の理由として、人種の進化の過程におけるDNAレベルでの要因があるのではないかと分析する医療関係者がいたり、BCG接種に要因があると言うコメンテーターがいたり、気温や生活習慣の違いなど複合的な要因など、実に様々な意見や憶測が飛び交っています。

近い将来、この謎が解き明かされる日が来るのでしょうが、今はまだその来たる解明の日を待つしかありません。

インド変異株に危機感

そのような中、この数日二ュースになっているインドの変異株
これは正直なところ、なぜだか直感的にとても怖いと感じます。

この数か月、イギリスやブラジルの変異株などがニュースで話題にのぼっても、そこまで鬼気迫る感覚を持ちませんでしたが、今回はこれまでとは違う何かを感じます。
そう、インド変異株は、アジア人である私たちにとって、もしかしたらものすごい脅威になるのではないかと、ある種の震撼すら覚えます。

私が、なぜこんなに怯えるのかというと、それはかつてインドを旅した経験からです。

CHARiSブログ フラワーデザイナー 魅惑の国インド

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インドへ渡航した日本人が、翌日には早くもお腹を壊すという話をお聞きになったことがあるかもしれません。
実際、私と共にインドを旅した友人二人も旅行2日目には体調不良を訴えてトイレに駆け込んでいました。
日本と比べると、正直なところとても衛生的であるとは言えないインド。
ウォシュレットが一般家庭にまでいきわたり、除菌・抗菌グッズが溢れる国、日本。
そんな衛生大国に暮らす日本人が、インドの環境に即座に適応できないのは至極当然のことでしょう。
インドではレストランの食事にも、ごく当たり前のようにハエがたかっています。
日本人は料理そっちのけで必至にハエを払おうとしますが、インドの方々は全く気にせず食事を楽しんでいます。
手洗いも不十分なまま、手を使って食べ物を口に運ぶ食習慣も残っています。

そう、裏を返せば、そのような環境下で普通に健康に生活されているインドの方々は、そもそも私達日本人より確実にウィルスなどの菌への耐性が強くたくましい体質だと思うのです。

考えてみれば、日本でもインフルエンザが蔓延しているシーズンに複数回かかる方と一度もかからない方がいたり、職場や家庭内で感染者が出ても自分だけはなぜか罹患しない方がいます。
免疫力の差、体質なのか、ウィルスに対する耐性には個人差があるようです。

しかし、今回のインド変異株は、そうしたたくましいはずの方々の身体にやすやすと侵入し、彼らを瞬く間に駆逐しています。

これはものすごく怖い現象だと思うのです。
さらに、今現在のインド・ムンバイの気温は30℃。
たしか、コロナウィルスは26℃でその活動が停滞化するとニュースやネットなどでアナウンスされていたのを記憶していますが、インド変異株は気温30℃という高温の中にあって、平然と猛威を奮い、活発に生息領域を広げています

変異の理由をイメージしてみる

インドの人口は約14億 中国に次いで世界第2位

一世帯あたりの家族構成も大所帯で、家の外も中も常に密。
マスクなしで数万人が一同に会する大規模宗教行事の映像には、世界中が驚き各国でニュースとなっていました。

おそらくこれまでも、インド内における感染者は一定程度の割合でいたのかもしれません。
ただ、そのほとんどが無症状なまま治癒していくので、検査することもなく日常生活を送っていたのではないでしょうか。

ただ今回のインド変異株は明らかに強毒化しています。
おそらく最初のCOVID-19やその後の各国変異株がインド水面下で蔓延し、無症状のまま消滅していく中、インド人の強い耐性を凌駕すべく、実に巧妙にひそかに変異を繰り返し、1年かけて感染しやすい強靭なウィルスへと変容したのだと思います。

この変異によって、耐性が強いインドの人々の身体にも容易に入り込めるようになった。

感染力がアップした分、ウィルスの強度も連動してアップし、結果として細胞を損傷させる力も強くなり、無症状ではいられないほどの打撃を与えることになったのではないでしょうか。

インド変異株 もう少し深刻に警戒すべきでは

日本の入国管理体制・検疫体制は正直なところ甘すぎます。

インド変異株の実情がニュースで国民の間に広く明らかになっても、さらにはインド変異株が日本国内で検出されたことが判明しても、政府はしばらく検疫体制を強化することなく放置していました。

ひと月以上を経て、マスコミが騒ぎ始めてようやく入国後の隔離措置期間を延長するなどの対策を強化し始めましたが、自宅待機期間の追跡調査の実態は疑わしいものと言わざるをえませんし、そもそも入国時の抗原検査はPCR検査に比べて精度が低いこと自体心配です。

こうした中、再度発出された3回目の緊急事態宣言。
諸外国に比べて中途半端感がぬぐえない日本の緊急事態宣言の可否は、私にはわかりません。

コロナで命を落とす方もいれば、経済的困窮で命を落とす方もいる。
このような状況下に直面して、緊急事態宣言を発するべきだとか、発するべきでないとか、断じる勇気は到底ありません。

それぞれがそれぞれの立場でこの社会の中で糧を得て暮らしています。

1億2千万の島国。
大人子供、学生、勤め人、経営者、医者、介護者、老人若者、父親母親、それぞれの立場にフラットに思いを馳せたとき、対ウィルスという終わりの見えない戦いの中で、誰もが不自由な思いを抱えながら必死に生きています。

みんなそれぞれが、毎日の暮らしを精一杯生きているだけ

コロナにかかる人はかるし、かからない人はかからない。
どんなに注意を払って感染予防対策を講じていても、罹患する時は罹患する。

そんな中、たまたま不遇にもコロナに感染した方をどうして責めることができるでしょう。
人助けに邁進している医療従事者の方や福祉施設の方だって、ご自身の使命を全うした結果、罹患してしまう場合もあります。
まさに「明日はわが身」です。

コロナも自然災害の一つ

コロナウィルスの起源には、陰謀説を含め諸説あります。
ただとにかく人の介入があったかどうかは別にして、元をただせばコウモリ由来という自然界に端を発する存在。
そういう意味では、COVID-19もまさに自然災害のひとつです。

これまで数億年の歴史の中で、自然災害は幾度となく地球上の生物を襲ってきました。
時には異常気象、時には感染病、時には大地震と、様々にパターンを変えながら。
自然界は時に生物に対してあまりにも残酷です。

それでも私たち森羅万象のものたちは、様々な種が淘汰されていく中でしぶとく生き延びて今に至っています。

私たち自身も自然の一部

自然界において生かされている私たち人間や動植物・鳥や虫・海洋生物など、今存在している生物全てが、まさに奇跡の連続の結晶と言えるのではないでしょうか。

インド変異株の出現とインド国内の実情を目の当たりにして、コロナに対して緩みかけていた認識が私の中で変わりました。

2020年1月に感じた未知なるウィルスへの不安と脅威。
あの感覚が少しよみがえってきた感じです。

こんな時だからこそ、自然界に敬意を払い、謙虚な姿勢で正しく自分の命を守っていかなければならないと改めて強く思います。

最後に、これだけは補足させていただきたいです。

私は魅惑の国インドが大好きです

30代、憧れのインドに初めて足を踏み入れた時、私は体調不良どころか、インドに到着するやいなやそれまでの残業続きでボロボロの体調不良がみるみる好転しました。

タージ・マハルなどの建造物はもちろん、石窟遺跡エローラやカジュラホなどの驚嘆に値する遺跡の数々は、生涯消えることのない美しい情景記憶です。

CHARiSブログ フラワーデザイナー 魅惑の国インド

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そして魅惑のインドの日常

ミルクチャイの心休まる味わい
連日、朝昼晩食べ続けても全く飽きることのない最高に美味なるカレー
ラクダとラクダ乗りのおじさんの優しい関係・互いの慈しみに満ちたまなざし
すさまじい経済格差と身分格差(カースト)を受け入れて自身の生を必死に全うする庶民
一夫多妻制 侍女を侍らせてきらびやかに街を闊歩するお金持ちのマダム
高速道路を平然とゆったり横切る野良牛・野良ヤギ
ラストシーンで必ず全員が陽気に踊り出すどこかシュールコケティッシュな映画

何もかもが混沌 摩訶不思議な魅力満載の国INDIA

そして尊敬すべきは私達の世界に数字の概念をもたらしてくれた国。
もはや世界に誇るIT大国。
数字の概念がなかったら私たち人間世界の進歩の速度は大幅に遅滞していたかもしれません。

そして仏教。
煩悩にまみれた人間の心を導く教えを生んだ国
中国をはじめアジアの多くの国の根本思想に多大なる影響を及ぼしています。

この魅力あふれるインドに暮らす方々が、苦しむ情景は悲しい。
私達人間は、自覚するしないに関わらず、他国と文化や経済を通じて互いに影響し合い発展しています。
だから、決して対岸の火事ではない。
他人事と済ませてはいけない。

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パンデミックに直面してで思うこと

国内外のニュースを見ていてふと思います。

狭い視野で自分の世界にばかり目を向け、他者を非難・排除していては、無用な分断や憎しみを生むばかりで何の解決にもならない。

もちろんおかしいと思うことに対してきちんと声を上げていく、意見を述べるということは大切です。

念のため、ここでいう非難・排除とは、やみくもに方向性を誤った差別や攻撃のことです。
コロナ差別、自粛警察、西欧諸国でのアジア人へのバッシング、オリンピックアスリートへの攻撃、ワクチン戦争など、あまりに狭い視野、利己的視野に立った、明らかに方向性の誤った非難・排除のことを意味しています。

自身の怒りや不安の矛先がどこを向いているか、理不尽な方向を向いてないか、私達一人ひとりが己に問う冷静さと謙虚さそして優しさが、今こそ求められているのではないかと思います。

パンデミックの中、疲弊しているのは自分だけじゃない

みんな、誰もがほとほと疲れ果てています。

誰かを責めたり否定したり追い詰めるではなく、今こそ心を寄せ合い、互いに慈しむ。

別に、何か特別に行動を起こしたりする必要はありません

ただ、目の前にいる人に労わりの言葉をかける、感謝の気持ちを伝える、笑顔を投げかける、それだけでいいし、そうすることが自分自身の心をも救うのだと感じます。

人類の間でそんな慈しみの関係性が実現した時、初めて「自然界」は私達人間がこの先も地球上に存在し続けることを赦し、受け入れくれるのではないでしょうか。

今日も長文を読んでいただきありがとうございます。